- 人が多い場所は苦手で疲れる
- 周りに機嫌が悪い人がいると、自分に対してじゃなくてもつらい
- 周りの人より繊細過ぎるのかな
と感じたことはありませんか?
そのように感じる理由は、あなたがHSPだからかもしれません。この記事では、そのHSPというのが一体何なのか、そしてその判断方法、メリットを活かし方や対策について解説していきます。
HSPとは?
HSP(Highly Sensitive person)はアメリカの心理学者のエレイン・アーロン氏が『The Highly Sensitive Person』の中で提唱した概念で、感覚処理感受性がとても高い人たちのことです。
感覚処理感受性っていうのは、視覚や聴覚などの五感からの情報を強く深く処理する性質のことだよ。
HSPの人は感受性が高いので、同じ刺激の強さでも、感受性が低い人よりも周りの人の感情の影響を受けやすかったり、大きな音がより不快に感じられたりします。ただし、悪い影響を強く受けるだけではなく、良い影響も受けやすくなります。
良い影響をたくさん感じられるのは嬉しいね!
ただし、HSPの人とHSPではない人にはっきり分かれるわけではありません。身長の高さが人それぞれなように、感受性の高さも人それぞれです。その中でも感受性の高さが上位20~30%の人がHSPと呼ばれることが多いです。
大きく分けると、感受性の高さは3つにグループに分かれるとされています。
感受性が低い人:30%
感受性が中程度の人:40%
感受性が高い人:30%
HSPの特徴(DOES)
エレイン・アーロン氏によると、HSPの人は、次の4つの大きな特徴「DOES」を持っているとされています。
Depth of Processing:深い情報処理をする
一つ一つの出来事や情報に対して、じっくりと考え、深く感じ取ることができます
Overstimulation:刺激に圧倒されやすい
強い光や大きな音、多くの人々の中など、普通の人よりも少ない刺激に圧倒されやすい
Emotional Reactivity and Empathy:感情的な反応が高まりやすく、共感しやすい
自分や他人の感情に強く反応しやすい
Sensing the Subtle:小さな刺激に気づきやすい
細かい変化や小さな刺激を感じ取る能力が高く、他の人が気づかないようなものに気づきやすい
わぁーっ!
全部あてはまる
HSPは遺伝なの?
HSPには遺伝的な面が大きく影響しています。また、生後の環境、特に幼少期の経験からも影響を受けると言われています。
セロトニントランスポーター遺伝子やドーパミンレセプター遺伝子など、複数の遺伝子が感受性の強さと関わっていて、関連遺伝子を多く持つほど感受性が高くなる可能性が示唆されています。
遺伝の影響は大きいけど、「HSP遺伝子があるかないかの二択」ではないよ
HSPは病気や発達障害ではない?
はい。HSPは病気や発達ではありません。周りの人より感受性が高いので「自分が変だ」と思ってしまうかもしれません。けれど、生まれつきの個性であって、病気ではないので安心してください。
周りの人が気にならないことで悩んで理解されにくいこともあるし、繊細だからこそ周りより上手くできることもあります。まずは自分が繊細なほうなのかを理解し、その気質を活かした生活や苦手なことへの対策をすることが重要です。
僕も「周りと違うから病気なのかな?」と思って、本を読みあさったことがあったよ
HSPかどうか調べてみよう
HSP診断テストのようなものがオンライン上などでたくさんありますが、どれがどこまで信頼できるものかわかりません。どれもある程度参考にはなるかもしれませんが、ここでは心理学的に信頼できる方法で調べてみましょう!
今回のテストでは、次のような感受性のより細かい内容もわかります。
易興奮性:刺激に圧倒されやすいかどうか(騒音、強い光、匂いなど)
低感覚閾:わずかな刺激に対する反応のしやすさ(繊細な手触りなど)
美的感受性:美的な刺激にどれだけポジティブな影響を受けるか
感受性って、こんなふうに分かれるんだね
HSPセルフチェック
それでは、テストをしてみましょう!
次の19項目の質問に対して、次の7段階で回答してください。
1点:まったくあてはまらない
2点:ほとんどあてはまらない
3点:あまりあてはまらない
4点:どちらともいえない
5点:ややあてはまる
6点:かなりあてはまる
7点:非常にあてはまる
引用元:Highly Sensitive Person Scale日本版(HSPS-J19)の作成/髙橋亜希 中京大学大学院心理学研究科
- 大きな音や雑然とした光景のような強い刺激がわずらわしいですか?
- 大きな音で不快になりますか?
- 一度にたくさんの事が起こっていると不快になりますか?
- いろいろなことが自分の周りで起きていると,不快な気分が高まりますか?
- 明るい光や強いにおい,ごわごわした布地,近くのサイレンの音などにゾッとしやすいですか?
- 忙しい日々が続くと,ベッドや暗くした部屋などプライバシーが得られ,刺激の少ない場所に逃げ込みたくなりますか?
- 一度にたくさんのことを頼まれるとイライラしますか?
- 短時間にしなければならないことが多いとオロオロしますか?
- 他人の気分に左右されますか?
- 子供の頃,親や教師はあなたのことを「敏感だ」とか「内気だ」と見ていましたか?
- ビクッとしやすいですか?
- 競争場面や見られていると,緊張や同様のあまり,いつもの力を発揮できなくなりますか?
- 強い刺激に圧倒されやすいですか?
- 痛みに敏感になることがありますか?
- 生活に変化があると混乱しますか?
- 微細で繊細な香り・味・音・芸術作品などを好みますか?
- 自分に対して誠実ですか?
- 美術や音楽に深く感動しますか?
- 豊かな内面生活を送っていますか?
それでは、次のように合計を計算してみてください。
全体の合計、1~7の合計(低感覚域)、8~15の合計(易興奮性)、16~19の合計(美的感受性)
上記の研究の平均は次のとおりです。
全体 | 男性 | 女性 | |
全項目(1~19) | 86.68 | 83.07 | 89.15 |
低感覚域(1~7) | 31.03 | 29.61 | 32.01 |
易興奮性(8~15) | 37.48 | 36.06 | 38.45 |
美的感受性(16~19) | 18.17 | 17.41 | 18.68 |
この数値よりも大きければ、感受性が高い傾向がある可能性が高いです。また、特にどの部分が強いのかという部分も知っておくと、自分の向き不向きを考えやすくなります。
僕は116だったよ
やっぱり感受性高いのかも
わたしは110だったよ
自己採点は他の人と比べることは難しいです。同じくらいの感受性だとしても、はっきり点数をつける人もいれば、真ん中付近を選びがちな人もいます。このようなセルフチェックは受けるタイミングによっても結果が変わることもあります。なので、「この点数だったからこうだ!」ということは言い切れません。参考程度に捉えてくださいね。
まとめ
この記事では、HSPとは何かについて解説し、セルフチェックの方法を解説しました。HSPは病気ではなく繊細な気質のことです。「深い情報処理」「刺激に圧倒されやすい」「感情的な反応が高まりやすく共感しやすい」「小さな刺激に気づきやすい」という性質があるんでしたね。
HSPは他の人が気にならないことにストレスを感じたり、周りの人になかなか理解してもらいにくいこともありますよね。本ブログでは、これからHSPに関連する情報や、わたしたちのような人が上手く生きられるような情報を発信していきます。どうぞよろしくお願いします。
参考資料
髙橋亜希 (2016). Highly Sensitive Person Scale日本版 (HSPS-J19) の作成. 感情心理学研究, 23(2), 68-77.
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